新谷 仁美(にいや ひとみ )は、日本の女子陸上競技選手(長距離走・マラソン)であり「駅伝の怪物ランナー」のひとりと言われています。2020年東京オリンピック5000m、10000m参加標準記録突破者で、10000mとハーフマラソンの日本記録保持者であるにいやん(愛称)のプロフィールや経歴、走歴、記録についてお伝えします。
新谷仁美のプロフィール
まずはプロフィールから見てみましょう。32歳というと活躍する選手の平均年齢を超えていますが新谷選手の場合はまだまだいけそうです。
本名 | 新谷 仁美(にいや ひとみ) |
生年月日 | 1988年2月26日 |
年齢 | 32歳 |
愛称 | にいやん |
身長 | 166cm |
体重 | 44kg |
出身地 | 岡山県総社市 |
出身中学 | 総社市立総社東中学校 |
出身高校 | 興譲館高等学校 |
国籍 | 日本 |
競技 | 陸上競技 |
種目 | 長距離走 |
所属 | 積水化学 |
1500m | 4分20秒14(2020年) |
3000m | 9分08秒86(2005年) |
5000m | 14分55秒83(2020年) |
10000m | 30分20秒44(2020年)日本記録 |
ハーフマラソン | 1時間6分38秒(2020年)日本記録 |
マラソン | 2時間30分58秒(2009年) |
新谷仁美の日本新記録!1万メートル30分20秒44
2020年12月4日に行われた東京五輪代表選考会兼日本選手権長距離種目女子1万メートルで、新谷仁美選手がすごい記録を達成しました。その時の動画を見るとその速さがわかります。
女子1万メートルに出場した(32=積水化学)が、日本記録を28秒45も更新する超人的な走りで7年ぶり2度目の優勝。2大会ぶり2度目の五輪代表を決めた。30分20秒44は、12年ロンドン五輪では金メダルに相当する超絶記録となった。
ただのカムバック、ではない。前回出場した12年ロンドン五輪から何もかもをレベルアップさせ、新谷が帰ってきた。3000メートルから独走。5000メートル地点は、直前に行われた5000メートルの優勝者に匹敵するタイムで通過した。3位以下は全員、周回遅れにした。競った相手がいた方が記録が出るという一般論は、32歳には関係なかった。
迎えたラスト1周。大記録を期待する観客3040人の歓声と拍手が響いた。「応援がある中で走るのが久しぶりで、終始、うれしい気持ちで走れた」。勝てば五輪代表に決まる状況でも、こだわったのは記録。渋井陽子の記録を18年ぶりに塗り替えた日本新は、一気に28秒45も更新。鬼気迫る顔が、泣き顔に変わった。
「復帰したときに、日本記録を更新しなければ世界と戦えないと思っていた。こうして切れて良かった」
30分20秒44は、12年ロンドン五輪の優勝記録、30分20秒75をも上回る。当時、4年に1度の祭典に初めて挑んだ24歳の新谷は、30分59秒19で9位に終わった。あれから、8年。右足裏筋膜炎に苦しみ14年に引退。会社員生活を経て、18年に現役復帰した。紆余(うよ)曲折が心を大きく育てた。
昨年の世界選手権は「敗北」の11位。練習メニューを横田真人コーチ(33)に一任した。栄養士やトレーナーの教えも請うようになった。故・小出義雄さんに指導を受けていた引退前は、何度も衝突。岡山に帰郷したことは1度や2度ではない。今は「背負ってきたことが分散できた。1人が当たり前と思っていた。分散することで気持ちが軽く走れる」と違いを口にする。
「結果が出なかったら全てコーチの責任にしようと思ったが、結果が出たので横田コーチのおかげ」。レースは独り旅でも、もう孤高の天才ではない。「東京五輪は関係なく、その都度、最高のパフォーマンスを、アスリートとして、パフォーマーとして、人として見せていきたい」。32歳は今、円熟期を迎えている。
スポニチより
新谷仁美の経歴・走歴について
新谷選手の学生時代からの経歴を振り返ってみました。高校時代から活躍していたことがわかりますね。
新谷仁美の学生時代
- 2005年、興譲館高等学校では全国高校駅伝に出場し全国優勝を果たした。新谷はエース区間と言われる第1区で3年連続して区間賞を獲得(03~05年)。
- 地元・岡山で開催された晴れの国おかやま国体では選手宣誓そして大会最終日の3000mにおいて会場総立ちの喝采を受けながらゴールし、地元に唯一の優勝をもたらした。
- インターハイ3000m優勝、世界ユース女子3000mで銅メダル、タイムトライアルIN長崎5000mにおいて高校歴代2位にあたる15分28秒70を記録するなど活躍を続けた。
- 全国都道府県対抗女子駅伝競走大会では実業団のトップ選手がひしめく1区で、高校生ながら区間賞を獲得。
- 2006年、横浜国際女子駅伝の日本代表チームのアンカーに選抜され、ゴール手前で前方にいたエチオピアチームを抜いてチーム総合3位に貢献し、自身も区間賞を獲得した。
新谷仁美の実業団時代
- 2006年4月、憧れとしている高橋尚子を目指すべく、小出義雄率いる豊田自動織機(佐倉アスリートクラブ)女子陸上部に入部。陸上競技関係者の間では、高橋尚子の再来と言われている。
- 2007年2月、記念すべき第1回東京マラソンで初マラソンに挑戦、2時間31分01秒の記録で女子の部において初優勝を果たしている。
- 2008年12月、第28回全日本実業団対抗女子駅伝が岐阜県で開催され1区を任される3位好位置でたすきを繋いだ。
- 2009年3月、3回目のマラソンは名古屋国際女子マラソンに出場。2時間30分58秒の自己ベストをマークしたものの8位に終わった。
- 2011年6月、第95回日本選手権女子5000mでは、初の世界選手権代表に選出された。
- 同年6月、ホクレンディスタンスチャレンジ士別大会では、女子5000mAレースで2位(日本人トップ)に入り自己記録をマークした。
- 同年7月、第19回アジア選手権(神戸)では日本代表として5000mに出場し15分34秒19の記録で銀メダルを獲得。
- 同年8月、第13回世界選手権女子5000m予選は15分31秒09(予選1組7着)、全体の7位で決勝進出。5000m決勝は15分41秒67の13位に留まった。
- 同年11月、駅伝世界一を決める男女混合・国際千葉駅伝においてアンカーの6区7.195kmを走り22分36秒の区間新記録で快走した。
- 2012年1月、第30回都道府県対抗女子駅伝において10kmのアンカー区間を32分06秒の区間賞で好走した。
- 同年6月、第96回日本選手権女子5000mにおいて15分17秒92の記録で優勝し、ロンドンオリンピック出場が決定。同時に10000mの出場も果たす。
- 同年8月、ロンドンオリンピック女子10000mは自己記録の更新につなげた。結果、新谷は渋井陽子(三井住友海上)、福士加代子に次いで日本人3人目の30分台となる30分59秒19の日本女子歴代3位の好タイムをマークして9位でゴール。日本女子でもトップだったが惜しくも8位入賞に届かなかった。2日後の女子5000mでは日本女子歴代7位となる15分10秒20の自己記録をマークした。
- 同年10月5日は第67回国民体育大会(ぎふ清流国体)陸上競技成年女子5000mに出場。レース中盤辺りから独走となり、2位以下に16秒差をつける圧勝でタイムは15分17秒79、福士加代子が持つ国体大会記録も更新した。
- 同年11月3日に行われた東日本実業団対抗駅伝において3区12.1kmの区間を38分21秒の区間新記録で快走。2位でたすきを受けるも1キロ足らずで10秒差を覆すとさらに加速。2位に2分以上も水をあけ、独走態勢を築いて逃げ切った。ユニバーサルエンターテインメント創部9年目悲願の初優勝に貢献した。また同年12月16日の全日本実業団対抗女子駅伝では1区の青山、2区の中村が連続で区間新と好走。11秒の貯金を得た新谷は「駅伝は一人ではできない。みんなが支えてくれて心強かった」と2位との差を35秒に広げ、初優勝への扉を大きく開いた。後続も1度も首位を譲らず東日本大会の勢いのまま全日本も制した。
- 2013年6、第97回日本選手権女子10000mにおいて2位の選手に1周差をつける31分06秒67の大会新記録で優勝し、第14回世界選手権(8月、モスクワ)の代表内定を決めた。
- 同年8月、世界陸上モスクワ大会女子10000mに日本女子代表としてただ一人出場し、30分56秒70と自己記録を更新し5位入賞と健闘。それでも目標のメダル獲得を果たせなかったことから、レース後のテレビ向けのインタビューでは、悔し涙を流しながら「やっぱりメダル獲らなければ、この世界にいる必要無い気がするので…」と語った。
- 2014年1月、突如現役からの引退を決断したことが報じられ、陸上競技選手としての引退を表明した。世界陸上モスクワ大会以降は、右足裏の故障悪化などで公式レースから遠ざかっていた。
新谷仁美の現役復帰後~NIKE TOKYO TC所属時代
- 2018年6月、日体大(健志台)長距離記録会で5年間のブランクを経て、NIKE TOKYO TC所属で復帰。3000mで9分20秒74で走る。続く7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ2018では5000mを15分35秒19で走り軌道に乗せてきた。
- 2019年1月、全国都道府県対抗女子駅伝に出走し、東京のアンカーとして最終9区(10キロ)を出走。圧巻の7人抜きを演じ31分06秒の区間賞を獲得した。
- 同年4月、ドーハアジア選手権10000mに出場し、31分22秒63で銀メダルを獲得。試合後は国旗を手に記念撮影を促されたが、優勝を逃した悔しさからやんわりと断った。
新谷仁美のセキスイフェアリーズ移籍後
- 2020年1月、所属先のNIKE TOKYO TCが成績不振を理由に解散となり、積水化学女子陸上競技部(セキスイフェアリーズ)に移籍。
- 1月12日、全国都道府県対抗女子駅伝で9区で区間賞(30分57秒)獲得。
- 1月19日、米ヒューストンで行われたアラムコヒューストンハーフマラソンに出場し、1時間6分38秒の日本新記録を樹立。
- 1月26日、大阪国際女子マラソンでペースメーカーを担当。
- 2月6日メルボルン(オーストラリア)で5000m15分15秒41、2月23日オークランド(ニュージーランド)で5000m15分7秒02を出し、2020年東京オリンピック5000mの参加標準記録を突破した。
- 9月20日、 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会女子5000mに出場し、日本歴代2位となる14分55秒83をマークした。
- 同年10月18日プリンセス駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝予選会)に出走し、エース区間3区において従来の区間記録を1分15秒も短縮する32分43秒の区間新を叩き出しチームの優勝に貢献した。
- 同年11月22日クイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝)に3区で出走。従来の区間記録を1分10秒上回る33分20秒の区間新をマークした。
- 12月4日、東京オリンピック選考会を兼ねた日本陸上競技選手権長距離種目(長居陸上競技場)の10000mに出場、渋井陽子の日本記録を18年ぶりに28秒45更新する30分20秒44の日本新記録で優勝し、10000mのオリンピック代表に内定した。
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まとめ
新谷仁美のプロフィールや経歴、走歴、記録についてお伝えしました。とくに女子1万メートルに出場して日本記録を更新したシーンは誰もが印象に残るのではないでしょうか。オリンピックに向けてますますの活躍に期待して応援したいと思います。