佐藤早也伽は新谷仁美とのある約束により日本記録大幅更新へ!

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新谷仁美は女子10000mで日本新記録を出しました。このすばらしい記録は、新谷自身の記録ですが、その偉業は佐藤早也伽とのある約束をしていたことで実現されたものでした。その約束とはどのようなものだったのでしょうか。




新谷仁美と佐藤早也伽との約束とは

新谷から最初の2000mだけでもリズムを作ってもらえれば気持ちだけでも軽くなると要望があったことから、横田コーチは積水化学の野口監督にこのことを相談したのです。

そして野口監督から佐藤早他伽さんへ最初の2000mまでペーサーとしてリズムを作れないかと伝えたところ、嫌がりもせず『喜んで引き受けます』と快諾してくれたのです。新谷からはその後で直接感謝の言葉をかけたとのことでした。

日本陸上競技選手権大会女子10000mのレース展開

佐藤はスタートから約束通り先頭に立って2000mまで集団を引っ張りました。このペースは佐藤が持つ1000mの記録よりかなり速いスピードでしたが、何度も時計に目をやり時間を確認して、完璧に役割をこなしていたのです。

そして、2000mを通過すると2位の新谷は、先頭へ出てハイペースを崩さず走り続けます。佐藤はそのまま3位に後退となり、自分のレース運びにスイッチを切り替えました。新谷はペースを落とさず、3000m付近でマラソン日本代表内定の一山麻緒(ワコール)を引き離します。驚異的なスピードは最後まで衰えず、日本記録を28秒45も更新する30分20秒44でゴール、前日に公言した「日本記録更新」を鮮やかに達成したのです。

新谷仁美と佐藤早他伽は強い絆の仲間

新谷は佐藤がゴールするとすぐに会いに行き、しっかり抱き合いお互いに涙を流していました。後でこのシーンを見ると私も泣けてしまうほどです。

「彼女がイーブンペース(同じペース)で引っ張ってくれたおかげで、後半も大きくペースを落とすことなく、日本記録を出すことができました。どんなタイムでも良かったんです。彼女の引っ張るという気持ち・心意気が、私にとって救いになりました」

という新谷の言葉からもわかるようにそれだけ二人の仲は強い絆で結ばれたようですね。

新谷仁美は2000mまでの佐藤のリードがなかったとしても、日本記録を更新していたでしょう。しかし新谷が今回手に入れたのは、佐藤の“気持ち”だったようです。

新谷仁美の日本新記録誕生の感動のシーン(動画) 

2020年12月4日に行われた日本選手権長距離1000m女子の動画を振り返ってみましょう。

2000mまでは佐藤が先頭で引張り、それからは新谷が先頭に立ち、3000mあたりから2位の一山を引き離し、最後までペースを保ったまま日本新でゴールし、佐藤のゴール後に抱き合って涙している様子は本当に素晴らしく、応援するあらゆる人の印象に残りました。

佐藤早也伽の魅力

佐藤 早他伽

10000mで自分の記録より速いペースで2000m引っ張ると後半は失速しがちなのですが、佐藤は大きな失速とはならなかったのがすごいところです。2000m過ぎに新谷さんが先頭に出てからは3位集団の3人の一番後ろ(5番目)で走っていましたが、最終的には3位でフィニッシュしたのです。

しかも佐藤自身の持つベスト記録を約30秒縮める、31分30秒19という記録は、リスクを乗り越えながら大きく自分の力を伸ばしたことになりますよね。

「あのペースで自己記録更新ですからね、彼女まだまだ伸びますよ」と横田コーチが立ち話で話していましたが、彼女もまた東京五輪代表候補の一人になったのです。

まとめ

新谷仁美と佐藤早也伽とのある約束、壮絶なドラマについてお知らせしました。自分を犠牲にして約束を忠実に果たした佐藤さんの気持ちと、そのことをプラスにして自己記録を更新した実力に敬意を表します。これからのますますの活躍を応援していきたいと思います。

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