渋谷健司のコメントまとめ|日本のコロナ対策についての批判など

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新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて日本の対策について渋谷健司教授のコメントがテレビなどで多く聞かれるようになりました。コロナに関する発言についてまとめてみましたのでお知らせします





渋谷健司さんのコロナ対策に関する発言・コメントまとめ

最近の渋谷さんの発言をピックアップしてみました。渋谷さんの主張は、

「PCR検査を増やして感染症拡大の一つである無症状感染者を把握することが必要」

とのこと。2次感染爆発を視野に入れて検査の拡大を求めています。病院の受け入れ体制と連携しないと病院がパニックになってしまうのでそこをクリアにしながら進めないといけませんね。

4/16 NEWS23 渋谷健司さんのコメント【日本で数十万人の死者が出る】

80%の接触減は不可能であり、対策を強化しなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性がある

日本はクラスター対策をメインにしていたので検査数を絞っていた。非常に検査数が少ないので表れている数字は氷山の一角に過ぎない おそらく(感染者が)10倍以上はいる

肺炎の死者で診断がついていないケースに、感染症による死者が含まれている可能性がある

4/18 AERA 渋谷健司さんのコメント【手遅れに近い】

手遅れに近いと思います。4月8日に出された非常事態宣言ですが、タイミングとしては1週間遅れたと考えています。

専門家会議のメンバーの西浦博・北海道大学教授は4月3日、東京が爆発的で指数関数的な増殖期に入った可能性を指摘しています。その2日前の、1日には専門家会議が開かれていました。この日は、宣言を出すように促す最後のチャンスだったと思います。1週間の遅れは、新型コロナウイルスの場合、非常に大きいのです。

クラスター対策とそれを支える『積極的疫学調査』の枠での検査を進めたので、保健所とその管轄の衛生研究所での検査が中心となりました。

まだ感染が限られていた初期は、保健師さんのインタビューと質の高い検査データで接触者を追い、その感染ルートを追いかけて、クラスターを潰すという方法が有効でした。

しかし、それではいずれ保健所の負担は増し、検査キャパシティーが限界になることは明らかでした。

検査については、保険適用になった後も医療機関から保健所に許可をもらい、その上で患者は帰国者・接触者外来に行って検査をする必要があります。

こうした複雑な仕組みのために検査は増えず、結果として経路を追えない市中感染と院内感染が広がってしまいました。

早い段階で感染が拡大した北海道などの地方都市ではクラスター対策が有効でした。しかし、大都市では感染経路をすべて追うことは非常に困難です。『どの段階』というよりは、そもそも検査を絞り続けた戦略がよくありませんでしたし、今こそ『検査と隔離』の基本に戻るべきでしょう。

■「検査数を抑える」は的外れ

――日本では当初から「検査を抑えて医療態勢を守る」という考えがありました。そもそも、世界の専門家の間でこのような手法はどう評価されているのでしょうか。

検査を抑えるという議論など、世界では全くなされていません。検査を抑えないと患者が増えて医療崩壊するというのは、指定感染症に指定したので陽性の人たちを全員入院させなければならなくなったからであり、検査が理由ではありません。

むしろ、検査をしなかったことで市中感染と院内感染が広がり、そこから医療崩壊が起こっているのが現状です。

――政府の専門家会議は、機能していると考えていますか。

科学が政治から独立していないように見受けられ、これは大きな問題だと感じています。

先ほど指摘しましたが、4月1日時点で「東京は感染爆発の初期である」と会議メンバーは知っていたはずです。それならばそこで、緊急事態宣言をすべしという提案を出すべきでした。

しかし、この日の記者会見で出てきたメッセージには、国内の逼迫(ひっぱく)した状況を伝えてはいたものの、『我が国では諸外国で見られるようなオーバーシュートは見られていない』といった国民の緊張感を緩ませるような言葉もまぎれていました。

一方で、米国のトランプ大統領の妨害にもかかわらず国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は凛として科学者としての役目を務めており、大統領とは全く違う声明も出します。

■「3密」「夜クラスター」以外の感染ルート

――日本の感染拡大防止策がこのまま自粛ベースで行われた際、何が起きると考えていますか。

自粛ベースでも外出が実質削減されればそれで構いませんが、現在のように飲食店は開いたまま、在宅勤務も進まない状態が続けば、感染爆発は止まらないでしょう。いずれ、ロックダウン的な施策が必要と考えます。

―― 一人一人はどう行動すべきでしょうか。

「家にいる」ということです。「自分が感染者かもしれない」と考えて行動すべきです。密閉、密集、密接の「3密」や夜クラスターを避ければよいというメッセージでは、逆に、「自分は関係ない」という意識を持ってしまう可能性があります。それ以外の感染ルートの可能性もあります。実際に感染経路を追えない市中感染が多数を占めているので、注意が必要です。

4/29 FNNプライム 渋谷健司さんのコメント【日本ではこれから重症者や亡くなる人が増えてくるだろう】

「検査数が違いすぎるので単純に死亡者数や死亡率の比較はできない。各国の感染フェーズが大きく異なる。医療制度・準備状況も異なる。日本ではこれから重症者や亡くなる人が増えてくるだろう。安心するのは早いと思う。違いを生じさせる原因にBCG説があるのは知っているが、今のところエビデンスは無い」

「そもそも感染症で全体像を完全に把握するのは困難である。何故かというと全員検査するわけにいかないからだ。もちろん死者は少ないにこしたことはない。国内のトレンドを見ることも大切だ。だが、このパンデミック初期の混乱の中で、数字の単純比較、特に国際比較に一喜一憂するのは余り意味がない」

「ワクチンは時間がかかる。普通で5年から10年掛かるので、現在目標とされている18か月は非常に早い想定だと思う。ワクチンが出来て量産体制が整って、世界全体に遍く普及するのは、そのスケジュールでは難しいかもしれない。仮にアメリカや日本で今回の流行を抑え込めたとしても、人口の70%にワクチンを接種するか、自然感染で集団免疫ができなければ海外からまた戻ってくる。だから流行はまたやってくる。今回の新型に関しては、冬に向けて第二波が来てもっと酷くなるという見方も出ている。世界全体で集団免疫が成立して安心できるのはだいぶ先になる」

「そう。ロックダウンをやって感染を抑え込めたら解除して、また検査と隔離を繰り返すということにならざるを得ないと思う。特に日本のICU・集中治療室のキャパシティーは脆弱なので爆発に耐えられない」

「今は300以上の様々な治験が走っているが、一番良いのは抗ウイルス薬が見つかって、軽症のうちから飲んで重症化をできるだけ防ぐ、それによってICUへの負荷を減らし、重症化してしまった人の命を救うということ。治療薬に関して私はそんなに悲観的ではない。効果のあるものは出てくると思う」

5/8 日本経済新聞 渋谷健司さんのコメント【中等度以下の患者を受け入れる専門病院や臨時の治療施設を設ける『野戦病院』も必要】

「官民の知恵を集め、感染拡大を抑え、受け皿を広げ、経済も回る仕組みを早急に生み出すべきだ」

「日本は感染者数が少ない段階ではクラスター(感染者集団)対策が奏功し、感染者数の増加速度を遅らせることができた。ところがせっかく時間稼ぎができたのに、経路不明の感染者が増え、追跡調査できないフェーズ(局面)にかわるまでに、検査の拡充や今回のウイルスの特徴を踏まえた医療体制を十分に整備できなかった」

「さまざまな分野の専門家が現状をきちんと分析できるように感染状況のデータを開示していないうえ、携帯アプリなどIT(情報技術)を活用できていない。官民の連携も不十分で、対応が遅れた」

経済活動の再開の動きが出ている。

「今回のウイルスは集団免疫やワクチンができるまで感染拡大を繰り返す可能性がある。都市封鎖をせず、犠牲者を最少にしながら社会を回すためには、定期的にできるだけ多くの国民がPCR検査を受けられることが必要。そのためにも検査態勢の圧倒的な拡充が不可欠だ」

「検査を圧倒的に増やすうえで陽性となった人が滞在する快適な施設が必要となる。数多く起きている家庭内感染を防ぐこともできる。軽症者の状態を把握する医師の確保がボトルネックになっているが、オンライン診療や処方などで医師などの負担を軽減することが求められる」

――実現には何が必要か。

「官民で知恵を出し合って、経済的にも回る仕組みが必要だ。諸外国に比べると脆弱性が指摘されている集中治療室(ICU)の確保は、出口戦略の一つの大きな指標になる。ロックダウンを防ぐために地域ごとの連携や調整は必須となる」

「新型コロナウイルスの中等度以下の患者を受け入れる専門病院や臨時の治療施設を設ける『野戦病院』も必要となる。大阪府や神奈川県のモデルは好例だが、東京都は非常に対応が遅れている。各都道府県は今からでも計画すべきだ」

5/9 論座 渋谷健司さんのコメント【PCR検査を増やして感染症拡大の一つである無症状感染者を把握することが必要】

「緊急事態宣言でかなり効果が出ていると思いますが、市中に感染者が多くいる状況で早期に解除するとまた感染が戻るということに気を付ないといけないと思います」

「PCR検査を増やして感染症拡大の一つである無症状感染者を把握することが必要」

「極端な言い方かもしれないが、今こそ国民全員にPCR検査を」

「これはまあ、できるだけ緊急事態宣言やロックダウンということを防ぐためのひとつの案ということでイギリスで提案されていることを(日本に)提案してみたということです。やはり緊急事態宣言は社会に対して大きなコストとなりますので、できるだけそれを防ぐためには検査を広げていくことが必要です。できるだけ検査を拡大して、検査と隔離という原則を徹底するということが緊急事態宣言の解除、あるいは出口戦略の1丁目1番地だと思っています」

「ウイルスの特徴を知れば知るほど、潜伏期間が長い、それから症状がない、あるいは軽症の方が非常に多いわけですよね。そうした方が市中で感染させてしまっていることを考えた時に、やはり症状がある方だけでは(感染拡大を)止めることが難しいということがわかってきたわけですね。フェーズが変わって今みたいに市中感染が多い場合にはクラスター対策から転換していく必要があると思うわけです」 

「ロックダウン、都市封鎖したい国はないんですね。非常に社会経済が傷むので。今後は繰り返しロックダウンということが言われているんですけれども、僕の友人たちを含むイギリスの学者たち30人が連名で出した国民全員にPCR検査を求める提言も、ひとつのモチベーションはできるだけロックダウンを避けようと。そのために社会を回すためにできるだけ人にうつさないようにして医療者を守り、そして社会を回す、そのひとつの手段として提案されているのです」

「出口戦略で一番にやるべきことは、圧倒的にPCR検査を増やすということです」

「これはもう医療だけではなくて、社会と経済の問題なので、命か経済かということよりも、命と経済の両方を守るということをしていかないとほんとに社会が厳しいものになると思います」

「大都市ではパイロット的にたとえば東京では区を2-3個選んでPCR検査で市中感染率を出し、政策判断に活用すべきだ」

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